スウェットの素敵な着こなしは相当ハードルが高いのが現実です。まず、スーツなどと違って、体型をカバーして「よりよく見せてくれる」効果は本来持ち合わせていません。ちょっとでも気を抜くと、パジャマよりややマシな部屋着になってしまい、猫背でポッケに手を突っ込んだまま、ぞうりをひっかけて外を歩こうものなら、標本にしたいくらいの単なるろくでなしになってしまいます。そもそも体の線を隠す機能が無い服(Tシャツにショートパンツもこのカテゴリーに入ります)を恰好よく着こなすためには、体を鍛える必要があります。どんなに運動しても骨格までは変わりませんが、せめて出っ張ったおなかは引っ込めて、猫背を解消する必要があります。だらしなく見えてしまうリスクがある服で恰好のつく着こなしをするためには、体に緊張感をもたせることで服のルーズさを補わなければならないのです。アスリートのスウェット姿が決まっているのは、厳しい肉体の鍛錬の賜物なのです。同じ効果はそう簡単に演出できませんが、背筋を伸ばして、きちんとスニーカーを履いて、キャップやサングラスなどの小物でメリハリをつけることをお忘れなく。アスリート並の着こなしを目指すなら、肉体を作りなおすしかありません。