モッズとはそもそも1950年代後半から1960年代中盤にかけて、ロンドン周辺の労働者階級の若者の間で流行ったファッションです。労働者階級なので、いわゆるお上品な貴族とは無縁です。もうちょっとシビアな言い方をすれば、いつもちょっとお腹が空いている階級のファッションなのです。お腹が空いているというのをハングリーという英語で表現しても良いでしょう。こういうと、満たされないのは空腹感ばかりでなく、若者特有の反体制、反社会的な意味合いも含まれてくるイメージになります。よって、このファッションの着こなしには、どうしても痩せたスキニーな体型が必要になってくるのです。痩せてガリガリ系になぜかモッズはしっくりハマるのです。それも健康的な痩せかたではちょっとバツ。ハングリー感漂わせて、初めて着こなしも決まってくるというものなのです。現代の健康志向とはちょっと相容れないものがあるかもしれません。でも、この点を逆手にとって、痩せて太れない系の男子はムリに筋肉モリモリを目指すより、こちらのファッションに乗り換えてしまったほうが案外着こなしがうまくいくかもしれません。痩せているからこそ、いや痩せていないと説得力がないファッションも現実にはあるのです。