モデルを使っての写真は、声かけが重要です。
その、撮影がアパレル用の写真で洋服が主役であったとしても、洋服は人が着ることによって、はじめて意味を持つものであるため、トルソに着せた動きの皆無な写真と、モデルが着て、動き、躍動感が演出できたものとでは、洋服の機能美や服本来の持つディティールの表現に大きな差が生じます。
むしろ、カメラマンの声かけ一つで、その出来栄えが大きく異なると言っても過言ではありません。
プロ中のプロは、褒めることが大変上手で、人を飽きさせませんし人を生き生きとさせます。
それが、本来の被写体の良さを引き出す効果を生み出している、と言ってもいいのではないでしょうか。
特に撮影本番の始めは双方共、緊張するの当たり前ですから、本来の動きがでるまで空シャッターを切りながらでも、緊張をほぐすための冗談と褒め言葉を連発します。
そして良く感じる事は、これではどっちが主役なのか分からない等と心中思っている訳ですが、カメラマンはディレクターの欲するカットを仕上げて、ギャラになる訳ですから、それらの行為もギャラの内と割り切って考えている方が多いと思われます。